おはようございます。創作板金屋です。
今日はステンレスの溶接加工についてご紹介します。
ステンレスといっても様々な種類があり、その種類に応じて溶接方法も異なります。
ステンレスの溶接方法
中でも代表的な5つをこちらに挙げてみます。
1.被覆アーク溶接
最も人気のステンレス溶接加工の一つです。
材料となるステンレスと同じ種類のステンレス棒を使用し、被覆材を塗布したものを電極として溶接する方法です。
メリット
全て手作業で行うことが可能。→細かい部分の溶接にも◎
デメリット
特にありませんが、注意点としてアークが強い光と熱を放出するので、作業は必ず保護メガネを使用すること!
※アークとは、気体放電現象の一種であり、高温で強い光を発するもの。
2.ティグ溶接
ティグ溶接とはTungsten Inert Gas(不活性ガス)の略称です。TIGと表現されることもあります。
電極にタングステンを使い、溶接部にアルゴンやヘリウムガスを発生させることで、アーク内に溶加材を挿入し、材料や溶加材を溶かし溶接する方法です。
メリット
精度が高く美しい仕上がりが可能。
デメリット
溶接に時間がかかる。溶接部に使用すつアルゴンやヘリウムガスなどの不活性ガスの用意にコストがかかる。
3.サブマージアーク溶接
前もって被覆材を溶接線に沿って散布して、その中にソリッドワイヤを供給し,母材とワイヤ間にアークを発生させて自動で溶接する方法です。
メリット
自動で溶接ができる。厚みのあるステンレス板に適用できる。
4.レーザー溶接
人工の光であるレーザー光を溶接部分に照射し、金属を局所的に溶融・凝固させることで金属を接合する加工方法です。
メリット
繊細かつ無駄が少ない溶接が可能。
デメリット
他の溶接方法と比較して出力が小さい。→細かい部分の加工や薄いステンレス板の加工に適している。
5.抵抗溶接
金属に通電させた際の抵抗発熱を利用した溶接です。
メリット
材料を直接溶かし接合するので強度が高い。溶接速度も速い。
ステンレスの種類
ステンレスの種類は、以下のように分類されます。
1.マルテンサイト系ステンレス(例:SUS410)
- 特徴:急速に冷やすと硬くなりやすく、溶接部分が冷却後に割れてしまう可能性がある。
溶接部分の割れは、溶接加工後数日たってから起きる場合もあるので油断は禁物です!
2.フェライト系ステンレス(例:SUS430)
- 特徴:熱などの影響で金属構造が変化し、その金属が持つ特徴が変わってしまう。
3.オーステナイト系ステンレス(例:SUS304)
- 特徴:割れ方や割れる部分が一定せず、様々な形で高温割れが発生する。
ステンレスの溶接は難しいと言われています。
その理由のひとつとして、ステンレスは金属構造や化学成分によって、このように細かく分類されているからです。
ステンレスといっても、鋼種によってその特徴は大きく異なるので、選択すべき溶接方法も変わります。
ステンレス溶接事例
ステンレス溶接事例です。
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